S-tag
S-tagは、膵臓リボヌクレアーゼA(RNase A)に由来するオリゴペプチドの名前です。
RNase Aをスブチリシンで消化すると、単一のペプチド結合が切断されますが、結果として生じる2つの生成物は互いに弱く結合したままであり、リボヌクレアーゼSと呼ばれるタンパク質は活性を維持しますが、2つの生成物のそれぞれは単独では酵素活性を示しません。S-ペプチドとも呼ばれる元のRNaseAのN末端は、20個のアミノ酸残基で構成されており、リボヌクレアーゼ活性に必要なのは最初の15個だけです。この15アミノ酸長のペプチドはS15またはSタグと呼ばれます。
Sタグのアミノ酸配列は、Lys-Glu-Thr-Ala-Ala-Ala-Lys-Phe-Glu-Arg-Gln-His-Met-Asp-Serです。荷電残基と極性残基が豊富なペプチドは、付着しているタンパク質の溶解性を向上させることができると考えられています。さらに、ペプチドだけでは、明確な構造に折りたたまれないと考えられています。DNAレベルでは、Sタグは任意のタンパク質のN末端またはC末端に付加できます。遺伝子発現後、このようなタグ付きタンパク質は市販の抗体で検出できます。
参考文献
1. RT Raines et al。、タンパク質精製のためのSタグ融合システム。メソッド酵素。326、362-367(2000)
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